ディストリビューションセンター(DC)とは?

ディストリビューションセンター(DC: Distribution Center)は、商品を一時的に保管しつつ、注文に合わせて仕分けや出荷を行うための物流センターです。荷物の搬入・搬出がスムーズに行えるよう、大型トラックが出入りしやすい設計になっているほか、ピッキングや検品、梱包といった流通加工もセンター内で完結できるため、小売やECといった業態では欠かせない物流拠点となっています。

日本の小売チェーンやEC事業者では、大型のディストリビューションセンターを活用し、地域ごとの拠点を組み合わせながら迅速な配送体制を整えています。複数企業でDCを共同利用するケースも増えており、コスト削減と効率化の両立が進んでいます。EC市場の拡大に合わせて、DCの役割はますます大きくなっています。

ディストリビューションセンターの主な機能

DCでは、入荷管理、検品、在庫管理、ピッキング、仕分け、梱包、流通加工、出荷準備まで多くの作業が一体化されています。なお、DCの運営にはWMS(倉庫管理システム)やTMS(輸送管理システム)が欠かせません。商品を最適な状態で出荷するため、動線設計や情報管理が綿密に組み立てられています。

大量在庫を扱える点は、小売・卸・メーカーの調達にも役立ち、原料や部品をまとめて保管することで供給の安定化に寄与するケースがあります。

DCと倉庫の違い

ストック型の倉庫に対して、DCはフロー型の物流拠点と言われています。そのため、多くのDCは高速道路のインターチェンジ付近や空港周辺など、輸送効率が高い場所に建てられているのが特徴です。商品の滞留時間を極力短くし、必要なタイミングで必要な量を出荷できる仕組みが整っています。

DXが進むディストリビューションセンター

近年のDCでは、自動化設備やデジタル技術の導入が急速に進んでいます。AS/RSのような自動倉庫、AGV・AMRによる搬送の自動化、ロボットによるピッキングなどが代表例です。また、AIを使った需要予測や在庫最適化も普及し、ヒューマンエラーの削減やリードタイム短縮が実現されています。

ディストリビューションセンターで働く主な職種と求められるスキル

DCでは、入荷・出荷作業を行うオペレーター、在庫管理スタッフ、マテハン設備を扱うオペレーター、センター全体を統括するスーパーバイザーなどが業務を担当しています。正確な作業や効率的な動きに加えて、WMSなどのシステム操作に必要な基本的なITスキルが求められています。