通関士のキャリアパス

国際物流は、グローバル化が進む現代において、その重要性を日増しに高めています。そんな国際物流の舞台で中核的な役割を担うのが通関士です。通関士はモノが国境を越える際に必要となる、税関への申告業務など様々な手続きを円滑にコーディネートする専門家です。本記事では、通関士のキャリアパスをご紹介します。

通関士とは

通関士は、輸出入される貨物の通関手続きを行う専門職です。関税法や税規制を熟知し、輸出入に伴う申告、検査の手配・対応、関税の計算などを行います。国際物流のスムーズな運行に欠かせない役割を果たし、高い専門知識と高い正確性が求められます。

通関士のキャリアパス

ジュニアレベル

フォワーダーや通関業者など通関業務を扱う企業などで実務経験を積んでいきます。ジュニアレベルでは、簡単な書類作成や申告業務の補助からスタートし、徐々に複雑な業務を担当できるようなっていきます。

■ 通関業務について

通関業務を行う上で通関士の資格は必須ではありませんが、より専門的な通関業務を担当する人材に対しては、企業側も通関士資格を採用条件と事が一般的です。その為、アシスタント業務に携わりながら通関士試験合格を目指す方も少なくありません。

通関士のキャリアアップ

通関業務において、特定の商品や業界に特化した専門知識を深めることで、市場価値を高めることができます。たとえば、医薬品や食品などの特定分野における通関手続きでは、一般的な商品とは異なった専門的な知識が必要となります。また、実務経験を積んで専門性を高めた通関士は、チームリーダーやマネージャーへとキャリアアップすることが期待され、人材育成や案件の割り振り、進捗管理などの広範な業務を担うことになります。

特殊なキャリアパス

大手物流会社や多国籍企業で雇用された通関士は、日本国内だけでない国際的なプロジェクトに携われる機会にも巡り合います。特に海外勤務のように直接海外の市場に触れる場合は、通関士としての視野が広がり、国際的キャリアパスを築く基盤にもなっていきます。

また、通関士の中には他の職種への転身を行ったり、独立して自身で通関業務のサービスを提供する方もいらっしゃいます。特に豊富な実務経験と国際感覚を兼ね備えた通関士は、物流コンサルタントとして企業の物流戦略の策定や業務改善提案など、より戦略的な部分へ活躍の場を広げていきます。

まとめ

通関士のキャリアパスは、通関士資格の取得を始めとする専門性の追求と実務経験の獲得によって高いレベルへと進んでいきます。また、資格+専門性が必要となる通関士は、必然的に人材としての価値も高くなりやすく、国際物流において継続的に重宝されるキャリア形成となります。