
就職・転職の際に「ハードスキル(Hard Skills)」という言葉を耳にした事があるかもしれません。ハードスキルは、業務に必要な専門知識・技術の総称で、このハードスキルの有無が即戦力採用(特に中途採用)における重要な判断基準となっています。本記事では、ハードスキルの具体例や重要性やアピール方法について解説しています。
ハードスキルについて
ハードスキルは、業務に必要な専門知識・技術の総称となる言葉です。ハードスキルの特徴として「能力の可視化が可能な専門的なスキルや知識」である事が多く、主な例としてプログラミング言語、公認会計士等の資格、広告の運用実績などが挙げられます。ハードスキルは企業の事業推進に関係する必要不可欠な能力であり、習得をすることでキャリアの幅が広がります。
ハードスキルにはグラデーションがある?
ハードスキルには、その専門性・熟練度に応じてグラデーション(段階)が発生します。特定エリアでの知識のみを持っている人材もいれば、その知識を実用して価値の提供が可能な人材など、各人材の経歴によってスキルの見え方が変わってきます。
ハードスキルの例
以下にハードスキルの例をいくつか紹介します。ハードスキルは業界・職種ごとに異なり、その専門性が実務での成果や他人への価値提供に直結します。
業界 | ハードスキルの例 |
IT・テクノロジー業界 | プログラミング:Python、Java、C++などの言語を使ったソフトウェア開発 データ分析: SQL、Excel、Tableauを使ったデータの可視化や分析 |
製造・エンジニアリング業界 | CAD設計:製品の設計図を作成するためのソフトウェア操作 機械操作:CNCマシンやロボットの操作 |
マーケティング・広告業界 | デジタルマーケティング:SEO、データ分析、SNSや有料広告の運用
グラフィックデザイン: |
物流業界 | 在庫管理:在庫の最適化、発注管理、在庫回転率の分析 輸送管理システム(TMS)の運用: 輸送ルートの最適化、コスト計算、配送スケジュールの管理など |
ハードスキルの重要性
ハードスキルは、各企業の事業運営やサービス提供に直結するスキルである事が殆どとなります。その為、採用現場(特に即戦力人材の採用)においては非常に重要な項目となり、企業が求めるスキルセットを持っているかどうかが合否に大きく影響する事も少なくありません。(※ハードスキルが、その人材が特定の分野で実用可能な専門性を持っている事の証明になる)
ハードスキルとソフトスキル
ハードスキルと同時によく耳にするのが「ソフトスキル(Soft Skills)」です。ソフトスキルは、コミュニケーション力や協調性、問題解決力など、仕事を円滑に進めるための対人スキルや思考力のことです。技術や知識と異なり、経験や環境を通じて磨かれることが多いのが特徴です。
ハードスキルは資格や経験で証明しやすいのに対し、ソフトスキルは実際の行動や評価を通じて判断されます。どちらも仕事の成功には不可欠で、バランスよく磨くことが大切です。
ハードスキルの評価基準
ハードスキルの評価は、企業が持つビジネスニーズ、人材市場、経験年数、実務・知識レベルなど複数の観点から判断が行われます。基本的には「知識レベル→実務レベル→価値の提供が可能」の順番で評価が高くなり、人材としての価値に繋がっていきます。
また、人材市場においてスキル取得者の少ないハードスキル(国家資格など)が存在します。この様なハードスキルは、採用市場内での需要が高く、また給与水準も高くなる傾向にあります。同様に、ハードスキルの組み合わせによって採用市場内での需要が上がる事もあります。例えば、デジタルマーケターがIT関連やグラフィックデザインの実務経験を持っていたりすると、人材としての価値向上へと繋がります。(ただし、親和性の高いスキルである場合が殆ど)
注意点
「ハードスキルへの評価=企業における必要性」では無い点に注意をしましょう。人材確保においては、企業が必要とするスキルのみに焦点を当てて採用活動が行われます。その為、企業が欲している人材が「知識のみを持つジュニア人材」である場合、「同エリアの熟練人材」は採用の対象外となります。
ハードスキルのアピール方法
ハードスキルをアピールする際は、知識と実務経験の2つの観点から伝えることが大切です。知識面では、自身が持つ資格・学習経験・専門知識などを可視化した形で採用担当へ伝える事で、自分の能力をアピールしましょう。一方、実務経験においては、これまでに作り上げてきた「実績」が何よりものアピール方法となります。「◯◯のスキルを使い、売上の◯%アップに貢献した。」や「〇〇の言語(プログラミング)使って、業務システムを開発した。」などが効果的なアピール方法となります。
最後に
今回は、ハードスキルの具体的な例と評価基準について解説しました。ハードスキルは、仕事の「武器」となる専門知識や技術であり、学び、磨くことで確実に強化できるスキルです。資格や実績で証明しやすく、身につけるほどにキャリアの選択肢が広がります。知識を増やし、技術を磨き、自分の可能性を最大限に引き出しましょう。