ペリシャブルカーゴ

ペリシャブルカーゴとは?

ペリシャブルカーゴ(Perishable Cargo)とは、生鮮野菜や果物、鮮魚介類、食肉、乳製品、切花など、一定の温度管理が求められる貨物のことを指します。これらの貨物は時間の経過とともに品質が劣化するため、輸送中の温度管理が特に重要になります。ペリシャブルカーゴと対比されるのがドライカーゴで、こちらは特別な温度管理を必要としない一般貨物を指します。近年、食品や医薬品の品質を維持するための技術が進化しており、IoTやブロックチェーンを活用した温度管理システムの導入が進んでいます。さらに、航空・海上・陸上輸送のそれぞれに適した冷蔵・冷凍技術が開発され、より安全で効率的な輸送が可能になっています。

ペリシャブルカーゴの輸送では、貨物の品質を保つため、厳格な温度管理が不可欠です。例えば、果物や野菜、乳製品などの生鮮食品には冷蔵輸送が適用され、一定の温度を保ちながら輸送されます。また、冷凍食品やワクチンなどの輸送には冷凍輸送が必要となり、貨物の特性に応じて適切な温度帯を維持する必要があります。さらに、血液製剤や特殊な医薬品など、超低温環境が必要な貨物には超低温輸送技術が用いられます。こうした温度管理を実現するために、リーファーコンテナ(温度管理が可能なコンテナ)や冷凍コンテナ、ドライアイスや冷却ジェルを利用するなど、さまざまな輸送手段が活用されています。特に国際輸送では、温度の記録や管理が厳しく求められるため、輸送中の温度データをリアルタイムで監視するシステムの導入が進んでいます。

ペリシャブルカーゴは、時間の経過による品質劣化を避けるため、できる限り短時間での輸送が求められます。そのため、国際的な輸送では航空輸送が広く利用されています。航空輸送は、短期間で目的地に到達できる利点があり、特にIATA(国際航空運送協会)の規定 Perishable Cargo Regulations(PCR、規定) に従い、厳格な品質管理のもとで運用されています。一方、日本国内では、ヤマト運輸や佐川急便などが提供するクール宅配便が活用されており、小口貨物の配送にも対応可能です。

さらに、輸送中の温度管理だけでなく、適切な包装やラベル表示も重要な要素です。ペリシャブルカーゴの取り扱いには、HACCP(食品安全管理基準)やGDP( Good Distribution Practice=医薬品適正流通基準)などの国際基準を遵守することが求められます。これらの基準を満たすことで、安全で信頼性の高い輸送が可能となり、消費者や医療機関へ品質の保証された製品を確実に届けることができます。