ディマンドプランナーは、市場動向や過去の販売データ、製品のライフサイクルなどの情報を分析し、将来的に発生する需要量を予測し、各部門の行動指針を示すポジションです。需要予測をもとに営業・マーケティング部門などの需要サイド、生産・物流部門などの供給サイドおよびファイナンス部門と協同し、売上目標やそれを達成するための計画が策定されます。
ディマンドプランナーの業務内容
データ収集・加工
過去の売上、受注データ、在庫データ、マーケティング活動の実績、市場動向、競合情報などのデータを収集します。収集したデータには、欠損値や異常値などの問題が含まれる場合があります。それらを修正して、正確な予測に必要なデータセットを作成します。
フォーキャストの作成
フォーキャストとは将来の需要量を予測することを指します。ここで予測された需要量は過去の需要パターンや市場動向などのデータから導き出されたものとなります。
ディマンドプランニング
ディマンドプランニングとはフォーキャストの結果を活用し、販売計画や適切な在庫レベルや生産計画を策定するプロセスを指します。販売計画の策定では営業・マーケティング部門と協議し、いつプロモーションを行なうかやその効果はどのくらい見込めるかとなど実務的な内容を肉付けし、目標となる売上や販売台数を策定します。在庫計画や生産計画はこの販売計画を満たすように連動して、策定されます。
モニタリング・分析
予測値と実績を比較し、予測モデルの精度向上や戦略の改善につなげます。さらに、市場動向や競合情報の変化に対応して、予測モデルを更新します。
ディマンドプランナーに求められる役割
部門横断での連携促進
前述の通り、ディマンドプランナーが作成した予測に基づき企業の各部門の計画が策定され、実行に当たる社員の指針が作られます。需要予測→販売計画→在庫・物流計画→生産計画→調達計画という風に有機的に各部門が連動することで企業活動が行われています。予測された需要は各部門共通の指標となり、部門間の連携を促すツールとしての役割を果たします。
コスト削減
在庫量や生産量は需要予測の結果に基づき策定されるため、予測精度が高ければ高いほど過剰な在庫や原材料の調達を抑えることができ、コストを削減することができます。
知見の蓄積・平準化
過去のデータの分析やマーケティング施策の効果分析などを通じて需要パターンやトレンド、製品ライフサイクル毎の需要変遷を特定することも業務の一つです。ここで得られた知見は新しいマーケティング施策を行う時や新製品を発売する時に役立てられ、成功の再現性を高めることができます。
ディマンドプランナーで求められるスキル
データ分析スキル
過去の売上や市場動向、競合情報などのデータを分析し、予測モデルを作成することがディマンドプランナーの主要な業務です。統計的手法や機械学習アルゴリズムを理解し、プログラミング言語や各種ツールを活用する高度な専門性が求められます。
ビジネススキル
需要予測の際には予測したい数値に影響を及ぼすであろう変数を組み込んだモデルを作る業務が発生します。例えば気温が上がればアイスクリームの売上が上がるようにどの要素が需要にどう影響を及ぼすのかを市場動向や国際情勢、トレンドなど多様な情報から導き出す能力が求められます。
コミュニケーション能力
業務では多くの部門やチームと協力して取り組む必要があります。関係者と良好な関係を築き、協力を得ながら業務を推進する必要があるため、コミュニケーション能力は重要なスキルとなります。
